宮西達也さんの描くオオカミは、いつも本当に間抜けでそれが最高の魅力だったのですが、この作品はさにあらず。
登場するのは、5匹の仲良しオオカミ、バル、ビル、ブル、ベル、ボル。
何を食べようかと相談しているのですが、何か、昼時のサラリーマンを思い浮かべてしまいます。
オムレツ、リンゴ、天ぷら、コロッケ、さんまと出てくるのは全く肉に関係ないものばかり。
ここら辺の発想は、宮西さんならではのもの。
意見が統一しないので、ブタにしようという提案に、みんなが言ったことばが「さんせーい」
これからが、この作品のポイントだと思うのですが、4匹はブタを捕まえたのですが、1匹は逃がしてしまいます。
そこで、それぞれが、自分が捕まえたブタを譲り合うのです。
こうした行為って、いつの世代でも上手く機能しているチームでは見られる行為だと思いますが、それを分かりやすく描いています。
友情と言えるのか若干疑問な点もありますが、こうした人間関係を小さいころから築けるようになって欲しいと思います。
5匹の区別が出来ず、途中前にさかのぼらないと話が理解できない部分がありましたが、心地よい読後感がある作品です。
宮西ワールドが更に広がった感のあるオススメの作品です。