非常にインパクトのある絵本です。
文章のない絵本ですが、訳者が柳田邦夫さん。よく考えれば、表紙にも絵の中にも日本語はあったのですが、柳田さんの思いも加わって、さらに重さを増しているようにも思います。
この絵本の評価は分かれると思います。
戦争反対の意思表示、「No」ということの重さとそれを伝える強い意志の必要、極めて象徴性の高い絵本となっています。
子ども向けとすると難解。
空爆される町、人民が弾圧される町。少年が大統領への手紙を持ってポストに向かいます。ポストの前には軍隊ではなく、いじめっ子のような青年。
少年は言葉だけで相手を言い負かせます。
ポストに手紙を投函して帰っていく少年は、先ほど目にしてきた光景が逆転して平和に向かっていることを知ります。
爆弾のかわりに受け取った自転車。
ポストの前のいじめっ子と一緒に自転車をこいでいくシーンが、はっきり言うとよくわからなかったですぅ。
大人向けとすると、やはり難解。
展開が短絡的過ぎる。行間どころか絵の隙間を読みとらなければ理解しづらい。
言おうとしていることは判るけれど、歯がゆさを感じたりもしました。
これまでのレビュー評価が「☆☆☆☆☆」か「☆☆☆」で中間がないことも頷けます。
柳田さんの関わる絵本はそれぞれに柳田さんの思いが伝わってきて、好んで手にしている私ですが、今回はあえて「☆☆☆」。
ごめんなさい。