「くつしたがにゅー」 みんなの声

くつしたが伸びて広がって、いつもとは違った使い方になっていましたね。
絵からしても「長新太さんらしいな」と思っていたら、文章のほうは岸田衿子さんだったので驚きました。
このお二人の作品で「りんごあかくなーれ」を読んだときには、長さんの絵と気がつかなかったので、同じ二人の組合せでも違う雰囲気になっていることが面白かったです。

ひよこがくつしたを見つけます。

くつしたをかぶって歩いているひよこの、愛らしい姿といったら！

ねことなわとびをしているかと思ったら、最後は、ねこのはらまきに・・・

くつしたが、動物たちによっていろんなものに変身していく展開がおもしろく、ほのぼのしたお話です。

子どもは、じいいっと絵を見ながら神妙な顔でお話を聞いていました。
だいたい絵本を読むと、ツボのところで大きなリアクションをするのですが、この絵本では、いつもじっとして聞いています。珍しい反応でした。彼なりに、いろいろ考えているのかもしれません（笑。

　パンツやズボンをあたまにかぶってみたり、帽子に足をつっこんでみたり、靴下を何枚もはこうとしたりしている娘と似てる？と思いました。
　ひよこ、ねこ、ぞうと娘の好きな動物が出てくるし、「よいしょよいしょ」「ばさばさばさっ」など様子や音を表す言葉が楽しいようです。
　娘は１歳８ヶ月ですが楽しんでいます。

靴下をみつけたひよこやカラス、猫たちがやってみることって、子供たちがやってみたいことだよな、と思います。
引っ張ったり、まわしてみたり、巻きつけてみたり。
そんな色々な発想が、「靴下」というひとつ物にたくさんの顔を与えてくれます。
最後に、猫にぐるぐる巻きになった靴下の間に入り込んで、ひよこちゃんが一緒にお昼ねをする絵。すごくほほえましくて可愛いです。

子どもにとって身近なくつしたを題材に、ひよこやからすやねこが、子どもの好奇心の代わりにいろいろとくつしたで遊びます。
頭にかぶってみたり、のびてしまったくつしたでなわとびをしたり、ぐるぐるまきになってみたり。
大人はくつしたを「くつした」としか見ることができませんが、子どもの想像力は無限で、くつしたはその想像力の中でいろいろなものに変身します。それでも最近の子どもは、飽和社会の中で想像力が乏しくなってきているといいます。この絵本は、想像力や好奇心を広げることができる絵本なのかもしれません。