課題図書だということで手にしました。
シンプルですが、題材のグレードの高さを感じました。
バングラデシュという国の社会、文化事情、民族性等を理解することから学びとなりました。
貧困社会の中で、父親がリキシャという自転車タクシーを借金してまで購入して、休みもとらず働いているけれど楽ではない。
10歳の女の子のナイマは、家族の力になりたいと思うのですが、試しに乗ってみたリキシャを傷つけてしまいます。
バングラデシュでは、働くのは男で女は家庭にいるものという社会のようです。
夫を亡くしてリキシャの修理を行う女主人は例外ですが、女性も働かなければ暮らしていけないという事情。
女性の社会進出などとは無縁の国のようです。
一定の年になると、女性は男性と交際してはいけないようです。
何から何まで現代日本との違いを感じました。
ここのところをどう読みとるかがキーになりそうです。
着るものも年によって変わってくるようです。
本の巻末にいろいろな説明があって助かりました。
という背景を理解した上で、社会批判してもしょうがないのですが、働くことを許されたナイマの思いと行動をたたえたいと思います。
これから先、決して楽ではないとは思いますが、ナイマは自分で道を切り開いていく力を身につけました。