「進化論」であまりにも有名なダーウィン。
この本はちゃんとした伝記ですが、雰囲気のある挿絵がふんだんに盛り込まれた絵本でもあります。
幼少期からダーウィンはその片鱗をみせていた、というのか。
好きなものにはとことんのめりこむけれど、興味のないものにはまったく手を出さない・・・。
そんなダーウィンは、親の反対にあいながらも、世界一周の船の旅に出て、見知らぬ動植物の標本を集めて回る博物学者としてのチャンスをつかむのです。
進化論の内容は、我々現代人にとってはある意味常識となっていますよね。学校でも習いますし。
でも、ダーウィンがこのアイディアを思いついた時代は、全知全能の神が万物を作り上げたと誰もが信じている時代。
それに反論するなんて、思いも寄らないことだった時代。
ダーウィンが、自分のアイディアに自信をもちつつも、世に発表するのをためらう様子からも、そんな時代の雰囲気が伝わってきます。
この本では、説明文のほかに、挿絵の一部としてダーウィンの日記やメモの一節、他人に宛てた手紙がたくさん盛り込まれています。
手書き文字で書かれたその部分からは、ダーウィンの肉声が聞こえてくるようです。
内容はしっかりしていますが、いわゆる伝記本より読みやすいです。
小学校中学年〜くらいにお勧めの本です。