小さな王さまは、ほんとに小さい王さまで、本の表紙にちょうどおさまる、これが実物大の大きさです。
(と本の表紙にコメントが書いてあります。)
これを言うと子どもはなぜかウケてくれて、
「へぇ、ほんとにこんなに小さい王さまなんだ。」
と。妙なところで実感がともなうみたいです。
この小さな王さまは、身の丈にあわない大きなお城に住み、たくさんの兵隊をかかえ、贅沢な食事に、贅沢な生活をしていますが...まったく幸福を感じていない。
そこにやってきたのが、なんとも不釣合いの大きな大きなお姫さま。
2人の間には、たくさんの子どもが出来、王さまは、はじめて、そのにぎやかな生活の中で「幸福」を感じます。
これは、王さまが大きいとか小さいとかとは関係なく、誰にでも言えることでしょう。
大きくても小さくても、やはり1人ぼっちでいるということは、なんとも寂しいものです。
どんなに恵まれていても、一緒に笑い、一緒に楽しむ家族や友達がいないとやっぱりダメだよね。
王さまが小さい小さい王さまで、お姫さまが大きい大きいお姫さまなので、お話がとてもひきたつ気がします。
黒基調でシンプルな絵なのも、遠めがきいて、たくさんの子どもの前での読み聞かせによかったです。