野生動物コレクターのドクター・ノラ氏と野生児のガオちゃんが、絶滅に瀕している動物たちに会いに行く。ゴリラ、パンダ、ウミガメ…11種類。そこには人間も入っている。
動物や植物がどんどん絶滅していっているという話は、私が子どもの頃からさかんに言われてきた。学研を購読していたので、環境や動物を守るために大人たちがしっかり活動していると思っていた子どもの私は、すこしずつ大人は環境も動物も無関心という現実に直面し、失望していった。
この話の冒頭部分にもあるが、「自分たちが楽しむため、金もうけをするため、ウニ、カニ、マグロをとりまくり、象牙、毛皮、角をあさり、自然をぶっこわして、ゴルフ場、公園、街をつくる。そんな人間たちが本気で自然を守るとおもっているのかァ!!」の台詞。
これが本当の現実の、人間の姿だと思う。だから、絶滅の話を聞くたびに人間の愚かさと残酷さ、自分の無力さ、世界各地の難しい問題を思い、心が重くなる。
嫌な事は見たくないが、この惨状をどうにかしなければ。
動物を守るだけではなく、自然環境の問題、そこに生きる人間が仕事がなくて生活できない問題、様々な問題を総合的に取り上げ、漫画で見やすくわかりやすく読ませた、吉川先生の仕事は素晴らしい。
ユーモアやギャグをはさんで、心が深く落ち込まないようにしながらも、…やはり、重い話である。
でも、今、ようやくスウェーデンのグレタ嬢を始め、「本当に地球はヤバいよ!」と人々が騒ぎ始めたから、私は希望を持っている。
この話は子ども向けの漫画だが、是非ともいろんな人に読んでもらいたい。
それで、ビニール袋の削減とか、何かできることを続けていきたい。楽な生活は、他の命に負担を押し付けているのだ。そう思ったら、多少の不便さはどうってことはない。
人間だって、いつ絶滅するかわからない。恐竜だって絶滅した。地上にたくさんはびこった生き物であっても、絶滅するという前例があるじゃないか。