ずっと机の引き出しにいれたままだった
おじいちゃんがくれた藁で編んだふでばこ。
キルルキルルって小さな声に気づいてみつけた
へんてこな生き物。
赤い目玉で、キルルって鳴く、トカゲみたいな生き物。
大きなあくびをした後で、小さな火を吹いたので、
もしかして・・・龍?ってぼくは思います。
でも、図鑑の龍は「珠をもっている」のに、キルルは持っていない。
ふでばこをくれたおじいちゃんに、聞いてみたら。
とかげじゃろ?
おじいちゃんがそう言ったら、キルルが悲しそうに鳴いた。
でも、このキルル。
おじいちゃんとある約束をしていたために、
ふでばこの中にいたんです。
「50年経ったら思い出す」
キルルとの出会い、そしてどうしてふでばこにいたのか。
おじいちゃんは思い出して、泣きながら
ぼくとキルルに話してくれます。
「ぼく」が誰かにはなしているような、
一人でつぶやいているような文体で、
じんわりと染みるようなとってもいいお話でした。
松成さんの「じいじのさくら山」も、ぐぐっときます。
兄ちゃんが幼稚園生時代に読み聞かせをされたかたがいて、
聞いていて、思わず泣きそうになりました。
派手ではないけど、じわ〜っとします。
ちょ〜っと疲れた大人にもいいかもしれません。