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以前、つるのおんがえしを読んだことがないという子供に出会いました。 あまりにびっくりしたのと、冬の話で季節感がちょうどいいので読み聞かせに使いました。 このお話は、私が知っているものより少し話が長い。 男の母親「おっかあ」が出てくるのですが、このタイプは初めて読みました。 子どもたちは「なんだ、その話知っている」といいながらも真剣に聞いていてくれました。 一方、私は読みながら「おっかあ」が出てくることで、人間の身勝手さ強欲さが強調されているように感じました。 そして、もっというならいつまでも子供をコントロール下におこうとする親、良い大人なはずなのになんでも母親のいう ことを聞いてしまう息子(女を嫁にしよう、と言い出すのも、機織りしているところを見てこい、と命令するのも母親)の関係にぞわりとしました。 いつの時代も、こういう夫と姑の被害に遭うのは嫁だな…と。
投稿日:2024/02/22
子どものころから、なじみ深い作品です。が、 ・男が(名前はありませんでした)鶴を助けた時に、猟師に銭を渡す。 ・殿様の命令で妻(鶴)にはたをおらせる。 という部分は、私は初めてでした。 吉田さんの絵は、作品にとても合っている思います。 とくに、殿様に命令され、せめてあと1枚はたをおってくれないかと、妻に頼んだ時の男の表情と、それを言われた時の妻の表情がたまりません。 ・妻を心配しながらも、殿様の命令だから仕方ない・・・、やってくれるな? ・本当は体が辛い・・・だけど恩ある大切な男のためならと・・・。 二人のそんな感情が伝わってくるような、印象的な場面でした。 男は確かに銭を得て、欲深くなってしまったかもしれません。 だけど、最初に鶴を助けた時、本来なら布団を買うはずの銭を、男は猟師に渡したのです。純粋に鶴を助けるために。 その部分に、少し救われたような感じがしました。 山下さんがその場面を物語に入れた理由が、わかるような気がしました。 ラスト、飛び立っていく鶴の後ろ姿と、ただただ見送るだけしかできなかった男の後ろ姿が、雰囲気たっぷりに描かれていました。 余韻が残る、切ない最後でした。
投稿日:2016/11/03
鶴女房がとても初々しく画かれていると思いました。 若者とおっかあとお嫁さんと三人の幸せな生活が続いていたのに、雪が いつまでも続いて三人の暮らしが次第に厳しくなっても、若者が町に仕 事を探しに行くと言っているのだから、任せておけばよかったのにと思 いました。若者と鶴女房と二人だけの物語は聞いたことがあるのですが おっかあの登場するのは初めて読みました。おっかあにそそのかされた とはいえ、若者が約束を破ったのだから仕方ないと思いました。 美しかった身体の羽は抜け落ちて血が滲み、ぶつぶつ鳥肌までたってい てとても不憫でした。日本の昔話は孫にも読んであげたいですが、自分 の為にも読みたいと思いました。
投稿日:2011/12/09
「つるのおんがえし」は、たくさんの絵本がありますが、鶴が少女になって子供のいないおじいさん・おばあさんの家にご恩返しに行くパターンと、若い娘になって若者と結婚する場合とがあるようです。 こちらは、後者のお話です。 子供には、何冊か「つるのおんがえし」を読みましたが、このパターンは初めてです。 鶴の羽を抜きながらの機織は、まさに命がけ。 壮絶な場面です。
投稿日:2011/09/12
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