絵本って子供だけのためのものじゃないと、再認識させてくれる本です。
嬉しくて、温かくて、でも、ちょっと照れくさい、キス。
この本には、息をのむくらい、美しいキスがあふれています。
たとえば、表紙には、テントウムシと白熊のキス。
小さくて真っ赤なテントウムシが、大きくて真っ白の白熊の鼻先に止まる。
その瞬間を切り取った表紙絵(裏表紙を広げるとさらに圧巻)は、深い青に縁どられた荘厳なキスの風景です。
テントウムシと白熊という、意外な組み合わせのキスは、
「異なるもの同士がいたわり合える」という、とっても基本的だけど忘れがちなことを、思い出させてくれます。
絵本の中には、親子のキスに交じって、そんな意外な組み合わせのキスがたくさんありますが、そのどれもが、愛と喜びにあふれています。
絵が本当に素敵です。
どの絵も、額に入れて飾りたいほど。
そして、落合さんの訳も温かくて、ほっとします。
家族みんなの大切な一冊になりました。