ドワーフじいさん、の題名につられて手にとりました。
白雪姫と7人のこびとの小人って、ドワーフだったっけ?なんて思いながら。
見晴らし台のある家を設計し、作り始めたドワーフじいさん。
すると動物たちが次々やってきて、手伝う代わりに僕の部屋も作って!というのです。
怪我をしたせいもあって、動物の力を借りないわけにはいかず、
何度も設計図を描き直した結果、家は当初と全く違う形で完成。
納得いかないドワーフじいさんはどうする?
希望をかなえてもらった家で暮らす、動物の嬉しそうな表情。
子どもたちも思わず「こんな部屋、俺も欲しい」と身を乗り出します。
設計図と精巧な家の絵は建築家の作者ならでは。
本物は説得力が違うなぁと感嘆させられました。
ただ、建築物が美しい絵本で終わらず、
気難しいドワーフじいさんの心境の変化が描かれているのがこの絵本の一番の魅力です。
最後のページで眠っているドワーフじいさん。
夢の中では新しい家が出来上がっているのでしょう。
紆余曲折のドワーフじいさんのいえづくりは実は大成功。
家族のように心配してくれる存在まで連れてきてくれたんだもの、と思います。
子どもにも大人にもお勧めです。
隅々までお楽しみくださいませ。