我らが悪役ゾロリと家来の双子の猪たち一行は、妖怪学校の先生&最近流行らない・いまいちな生徒4人に泣きつかれる。今時、誰も怖がらなくて落ち込んでいる妖怪たちと共に、ある地方の町を恐怖のどん底に落としてしまおうと企むが…
恐怖のすんどこ、が一番笑えた。ギャグのセンスが光る。80年代(出版は1988年)、異常に流行した怪奇現象系テレビ番組、オカルト漫画や映画。中国の妖怪を題材にした「霊幻道士」シリーズ、日本のアニメ「怪物くん」などを思い出させるキャラクターたち。思い出すアイテムで読者の実年齢がわかってしまうが、これらのいいとこ取り、美味しいところ取りで1つのゾロリ・ワールドを構成してしまった。すごい贅沢な絵本!
怪奇現象ブームや、怖い映画の流行などは何回か過去にあったかもしれないが、怖いものは印象に残る上、ギャグのネタにしやすいから、案外楽しいものとして後日活用できるのだが、と感心。
いつもながら、下品でばかばかしいギャグが連発で、小学校低学年の子どもたちがゲラゲラ笑える素敵な構成。さすがです。いい大人になってからも結構笑える。こういう作品が大いに流行ると世の中が明るくなっていいな。