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名前のない人」 みんなの声

名前のない人 作・絵:クリス・ヴァン・オールズバーグ
訳:村上 春樹
出版社:河出書房新社
税込価格:\1,980
発行日:1989年
ISBN:9784309261195
評価スコア 4.68
評価ランキング 2,209
みんなの声 総数 18
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  • 秋に読みたい

    『ジュマンジ』や『急行「北極号」』など、オールズバーグさんの作品は幻想的で不可思議。独特な世界観に、いつも魅了されてしまいます。
    こちらの絵本も、表紙の絵からも、奇妙な雰囲気が漂っています。
    名前のない人と暮らすことになった、ベイリーさん一家のおはなし。現実と幻想が交差して、不思議な気分になりました。
    夏から秋へと季節が移り変わるたびに、思い出してまた読みたくなると思います。

    投稿日:2021/10/28

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  • 不思議な物語

    • じっこさん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 女の子5歳、男の子2歳

    農家の男が、ある男を車ひいてしまいます。それから男は農家で暮らすようになりますが、彼が来てから農家の周りの季節が止まってしまったよう・・・。彼はいったい何者なのでしょうか。
    一本の映画をみたような気分です。はっきりした答えは描かれていないので、不思議な余韻が残ります。絵の力がすごいです。大人向けの絵本だと思います。

    投稿日:2017/06/14

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  •  「どれだけ長く眺めていても飽きるということはない」。
     これはC.V.オールズバーグの絵本についての、村上春樹さんのコメントです。
     そういう絵本にめぐりあった村上さんのおかげで、私たち読者もオールズバーグの独特な色彩の世界を楽しむことができたのですから、本というのは巡りめぐるものだと、つくづく感じます。

     この作品は、村上さんが『西風号の遭難』『急行「北極号」』につづいて翻訳をした作品です。
     「ミステリアスでエニグマティック」な作品だと村上さんは評しています。
     「エニグマティック」というのは、「謎めいた」という意味でしょうか。
     原題は「The Stranger」。
     表紙の黄色い服、デニムのつなぎを着ている男が、その人物です。
     スープをみつめる表情にして、少し「エニグマティック」です。

     ある日、お百姓のベイリーさんが車で事故を起こしてしまいます。
     はねたのが、この男。事故のせいか、ベイリーさんが何をたずねてもわからない様子。
     やがて、元気になった「名前のない人」ですが、どうも普通の人とは違うようです。
     ベイリーさんの農作業を手伝っても汗ひとつかかないのですから。
     しかも、この男のまわりに不思議な現象が起こりだす。
     いつまでも夏が続いて、秋が来ないのです。
     まわりの村や山々は秋の色づきにそまっているのに、ベイリーさんの村だけは、いつまでも夏なのです。
     この男は、いったい何者?
     やがて、男はいなくなります。途端に、ベイリーさんの村にも秋がやってきました。
    「 エニグマティック」は、こんな時に使うのでしょうね。

     最後までこの男のことは解き明かされません。
     私たちは秋の装いに包まれたベイリーさんの家をじっと見つめるだけです。
     めぐる季節のことは科学的には説明できます。でも、本当はこの男のように、不思議な自然のなぞなのかもしれないとい うことを、私たちはすっかり忘れてしまっているような気がします。
     「The Stranger」とは、自然そのもののことかもしれません。

    投稿日:2014/08/24

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  • 秋の優しさを・・!

    オールズバーグのなかでもちょっと異色な作品ですよね。全体的に優しさに満ちているように私は感じます、そういうところがとても好きなお話です。小学校での読み聞かせをしていますので、少し冒険かな?と思いましたが、すごくよく聞ける学年なので思い切って選書してみました。してやったり!大というほどではありませんが成功でした♪読み終えた後「おもしろかった〜」とため息をつくように言う子がいました。「いったいあの人なに?なに?」と、話してる姿も微笑ましかったです。絵も美しいし、もちろん季節感を感じられるし、全体を包み込む秋の優しさがなんといっても素敵な一冊です。読み聞かせしたのは、よく聞ける四年生です。テンポよく読みました。

    投稿日:2012/12/07

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  • 彼が誰だったのか、議論してみたいです。

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子16歳、女の子11歳

    これもまた、とても面白い話でした。

    一体、この『名前のない人』はだれ合ったのでしょう?
    もう少し後の時期ならサンタかな?なんて、想像もしてしまいそうですが、
    晩秋の景色を見て、気や葉を見て、彼が何を思ったのか、いったい何を思い出したのか、すごく気になりますが、オールズバーグははっきり「なんだった」とは描いてくれていないんですよ〜。
    これは、読み手ひとりひとりが感じて思う『それ』を描けばいいということなのでしょうか?
    特にラスト1ページに描かれている内容は、すごく気になります。
    秋の精?、それとも木枯らし1号?そういう自然界の、妖精みたいな存在だったのでしょうか?
    この絵本を読んだ人と、いろいろ議論してみたいです。

    投稿日:2011/11/25

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  • タイトルが気になる本

    この本の原題の「The Stranger」がどうして「名前のない人」なのか、何度読み返しても不思議な感じがする本です。
    ベイリーさんが車をぶつけた男。よく考えると、鹿かと思ったというのもとぼけた話ですが、飛び出してきたのでしょうか?
    医者が使えない体温計で診察したのもとぼけた話。
    それは置いて、この本のなぞ解きはこの「The Stranger」が何者なのかを考えることなのでは。
    季節を変えていく神様? 森の精?
    この男がいると、秋が来ない。うさぎから仲間のように思われる存在。
    ヒントはいろいろあるのだけど、やっぱり「知らない人」は「謎の男」なのでしょう。

    けなしているようで、何か気になる絵本なのです。
    登場する人物の表情が良い。猫でさえも表情があります。
    答え探しではなく、読む人を煙に巻くようなオールズバークのマジック絵本。

    男は、自分が何者なのか思い出したのでしょうか。ベイリーさんの家を飛び出します。
    そうしたら、自分の家にも秋が来ました。
    「名前のない人」は私の頭の中で風のように通り過ぎました。

    投稿日:2009/12/24

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  • 読後が楽しい

    • こりえ♪さん
    • 30代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 女の子2歳

    ベイリーさんの車にはねられた男。記憶をなくしてしまっているその男は、ベイリーさんの農場で暮らすことになります。

    この男の人は一体何者だったのか?
    そういう考える楽しみが読後に待っています。
    話自体で楽しめるのはもちろんですが、読んだ後にいろいろ想像しながらお話を振り返るのもまた楽しいものですよね。

    体温計の水銀が全く上がらないこと。
    スープを冷まそうとした息にやけに寒く感じること。
    野うさぎと慣れ親しんでいること。
    それから、男の周りだけ季節が止まってしまうこと。

    彼は一体何者なのでしょうか。
    森の精だったのかな?などと考えたりもしました。
    1年中、緑が溢れる森で動物たちと仲良く過ごしている姿が浮かんできたのです。

    答えはでてきません。
    だからこそ、いつまでも心に残る作品になるのではないかと思いました。

    投稿日:2009/04/05

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  • 幸せな余韻

    大人の絵本かなと感じました。
    少なくとも8歳と5歳の我が子にはまだ難しいです。
    が、とても魅力的な絵本でした。
    余韻たっぷり、大人が想像力全開にして余韻を楽しめる絵本です。
    ショッキングなオープニングから謎を残した曖昧なエンディングまでひきつけられます。
    絵もとても素敵で画集を見ているかのような気持ちにもなりました。
    名前のない人は誰なのか、幸せな余韻を残してくれる絵本です。

    投稿日:2008/12/21

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  • 目に力があると思いませんか?

    • とらのさん
    • 40代
    • その他の方
    • 埼玉県

    表紙を見ていただくとわかりますが、目に力があると思いませんか?
    現代は『The Stranger』。村上春樹の翻訳ですが、日本語の題名、どうなんでしょうか。
    でも、絵の中の人間の目には、迫力はあると思います。その目を見ているだけで、何を思っているのかわかるような絵本。ちょっとすごいなあと思いました。読んだあとにもいろいろ考えることのできる本だと思います。

    投稿日:2008/05/18

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  • 不思議な余韻が残ります

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    クリス・ヴァン・オールズバーグ作の村上 春樹訳という絶妙のコンビの一冊。
    いつも不思議な余韻が残るのが特徴なのですが、今回は少し違う余韻を感じました。

    お話は、お百姓のベイリーさんが、車で人をはねてしまうところから始まります。
    その人は記憶を失っていて、ベイリーさんの家で家族の一員として暮らすようになります。
    そして、別れが来るのですが、最後までその人が何者なのか分かりません。

    ヒントは、その人がいると紅葉しないということぐらい。
    恐らく、季節に関係する自然界に属する存在だということ。
    決して答えはないように思います。

    小学校高学年から中学生向きというより、大人向きといったほうが相応しいかも知れません。
    左ページに文章、右ページに絵があって、その絵が実に美しい出来栄えなので、見ているだけで楽しめると思います。

    投稿日:2008/02/23

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