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はじめてのクリスマス

はじめてのクリスマス(偕成社)

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おおきなけやき」 みんなの声

おおきなけやき 作:林 木林
絵:広野 多珂子
出版社:鈴木出版 鈴木出版の特集ページがあります!
税込価格:\1,320
発行日:2011年01月15日
ISBN:9784790252221
評価スコア 4.68
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みんなの声 総数 21
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  • 生きとし生けるものの定め

    一昨日、この絵本を「お、木の話かな?」と思って、本屋さんの新刊コーナーで立ち読み
    しました。そして、どうしてももう一度この絵本を読みたくて、昨日また立ち読みに行きま
    した。(本屋さん、ごめんなさい!)

    森で一番大きかった“けやき”の話です。
    その堂々とした雄姿は森の他の樹木や動物たちからの憧れの存在でした。
    そんな大木が、ある冬の日に音を立てて倒れてしまい、周りの樹木の方が動揺します。
    そして、けやき自身も当初は喪失感に襲われるのですが、これまでのっ視界と違う視界、
    そして違う付き合いが小動物や植物と生まれて、慰められ、現状を受け留められ、
    そして更に長い年月をかけて、腐食し土に戻っていくという話です。

    一言で言うと、「生きとし生けるものの定め」が描かれている絵本で、
    最初の数ページはただの樹木しか描かれていません。
    しかも、その樹木には顔などはついていなく、背景が真っ白なところに葉が落ちた樹木が
    描かれているので、ああ、本当に寒い日に起きたことだったんだなっと思わされます。
    そして、これまで、こうやって何十年も、この寒さにこの木は耐えて立ってきたんだろうな
    と同時に感じさせられます。

    ページが進む度に年月が過ぎ、あの真っ白だった背景とは逆に、秋に真黄色の落ち葉で
    覆われる倒れた老木のページが、その最初のページと実に対照的で惹きつけられ、
    思わず綺麗とつぶやきました。
    これはきっと、森の樹木達からの老木への今までの賞賛を表しているんだろうな。

    そして最後に、また色が変化をして、倒れた老木を緑の蔦系の植物が覆い、老木の心だけ
    ではなく読み手の心にも「再生」とか「新しい生命」とかを意識させられ、けやきの姿は無になります。

    この老木のけやきの心情や状態を表している“配色のテクニック”にすっかり魅惑されました。

    そして、何よりも、この絵本が二度も私を本屋に行かせたのは、40歳を過ぎて、
    人生半分を過ぎたからでしょうか?
    ただの木の話ではなく、人間にもとても当てはまる話であることをとても感じたからかもしれません。
    何故か、70歳を超えた父親を思い出させる絵本でした。

    自分の人生を振り返って、肩で風を切るような黄金時代もあり、
    そして老いてから自分も周りのもの中の1つであることを悟り、形を変えた楽しみや喜びが
    あることを知る。

    これは小さい子には100%は、まだ悟れないでしょうね。
    どちらかというと大人向けの絵本だと思います。
    万人受けをする本ではないかもしれませんが、私には心に響く絵本でした。
    是非、一度読んでみてください。

    投稿日:2011/01/22

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    5
  • 自然の営み

    一本の大きなケヤキが倒れてから土に帰るまでの物語。
    長い長い年月の中で、自分を受け入れていく語りがとても味わい深いお話です。
    森の中で一番高く空に近かったケヤキは、草や虫たちから高い場所から見た景色がどうだったか質問されたとき、キジバトの方が知っていると、とても謙虚です。
    ケヤキは自分が一番だったことを威張るのではなく、草木や動物たちを受け入れていきます。
    ケヤキはいろいろなものから親しみをもって語りかけているのですが、ケヤキの人間性(?)によるのでしょうか。
    ケヤキは落ち葉や花に埋め尽くされて、感慨にふけります。
    吹雪の中で、クヌギにケヤキが偉大だったと語りかけられて、若いブナの木が頑張っていると答えます。
    この本は自然のあるがままを見事に描いています。
    登場者はほとんどない、自然の風景に木の言葉が重ねられている絵本なので、目先の変化やリズム感はありません。
    子どもにとっては少し難しいかもしれませんが、大自然の営みとして理解してもらえたら、作者の伝えたかったことがとても大きなことだとわかるのではないかと思います。

    投稿日:2011/04/24

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    2
  • 命のめぐりを感じます。良作だと思います。

    • てんぐざるさん
    • 50代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子22歳、女の子17歳

    これはとても良質な作品ですよ。
    残念ながら、表紙を見ただけではあまり目立ちませんが、一本の年取ったけやきの木が倒れてからの出来事が描かれています。

    木は折れて倒れても、それで終わりではないんですね。
    命のめぐり、力強さを感じられる作品です。
    林希林さんの文は読みやすく、広野多珂子さんの描く木々や森の動物たち素敵でした。
    際立って大きな出来事が起こるわけではないのですが、静かな森の中で起こる生命の息吹を感じました。
    春先に子どもたちに紹介したい1冊になりました。

    投稿日:2017/12/26

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    1
  • 命はずっと

     命が終わることを、悲しいとかさびしい、と思わずに前向きにとらえられます。

     倒れたけやきが、いろとりどりの落ち葉に包まれているのが、しみじみしました。
     長く生きて、いろいろな経験をしてきたけやき。倒れてから、また新たに感じることがたくさんあるんですね。

     個体としての自分はいつか朽ちてしまうけれど、命はずっと続いていることがわかるお話でした。

     小さい子どもから大人までおススメの絵本です。ゆっくり読みたいです。

    投稿日:2011/08/09

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    1
  • 美しい絵がすてき!

    木のお話っていろいろあるけれど、
    こんなに緻密で動物もかわいらしいのは
    あんまりないと思いました。
    生命のたいせつさが
    せつせつと伝わってきます。
    奥が深い内容なので
    子どもにはちょっと難しい内容かもしれませんが、
    繰り返し読むことで
    いろいろ考えることができる絵本だと思います。

    投稿日:2011/06/21

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    1
  • 木に目を向けたくなる

    幸田文に「木」という木だけを見つめて書かれたエッセイがあったように記憶しています。

    樹齢何百年もこえる木もあれば、途中で切り倒される木もある。

    また、自然の力で倒れてしまう木も。

    その木が生まれて育って倒れてしまっても人は気付かないのかもしれません。

    ただ、木も木の命を全うしそこに存在しているのみ。その木の中でもまた他の植物を育てているかもしれません。

    日陰に生きる植物は木の恩恵を受けていそうです。

    そんなことを考えながら、この絵本を見ていました。

    広野さんの絵がまたとてもいいのです。

    絵だけを見つめていても心がなごみました。

    子ども向け大人向けと絵本を区別してしまうと、またそこから見方が変ってくるかもしれませんが、

    自然に生きる木にもまた目を向けてみようかなと思いました。

    投稿日:2011/03/06

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    1
  • とても素晴らしい絵本

    タイトルからだとどういった内容なのかわからないと思うのですが、とても内容の濃い絵本だと思いました。絵もとてもきれいですごく本の内容をしっかり表現してあり、素晴らしいと思いました。生きるということ、命のある者の一生がこの絵本に描かれている気がしました。大人向けの本になるのでしょうか、大人ならすごく感じるものがあり、またいろいろと考えさせられるものがありました。ぜひ読んでもらいたい1冊です。

    投稿日:2024/09/17

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    0
  • 一見地味に感じるが

    詩人でもある林木林さんの作品ということで、読みたいと思いました。
    けやきの木が主役のおはなしなので、一見地味に感じるのですが、生き物が木に集まってきたり、季節が巡って景色が変わったりして、だんだんと画面もにぎやかになっていきます。
    とても見応えのある作品で、満足感があります。
    文章もシンプルで、画角も大きいので、大勢への読み聞かせにも向いていると思います。

    投稿日:2024/03/08

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    0
  • おしまいではない

    この冬最後の寒さがやってきた日、森で一番背の高いけやきの木が、倒れました。
    倒れた時、けやきの木は言いました。
    「そらが あんなに とおくに あるぞ。 わしも もう おしまいだ」

    でも、おしまいではなかったのです。

    倒れたけやきの木のそばに小さな草や花、虫たちが集まってきて、空の話を聞きたがりました。
    りすやうさぎがやってきて、木にまたがりたいという夢を叶えました。
    木登りが苦手な動物たちが、遊びに来るようになりました。
    周りの木々も、けやきの木が倒れたことによって日当たりが良くなり、どんどん伸びていきました。
    けやきの木は、幸せでした。

    倒れたからって、おしまいではなかったのです。

    生きていると、大小様々な失敗や挫折を経験します。
    それによって、
    「おしまいだ」
    と多くの方が思うでしょう。

    でも。

    それは違うよ。
    おしまいではないよ。

    この絵本は、一本のけやきの木を通して、そのことを教えてくれているようです。

    投稿日:2020/10/27

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  • 遠くと近く

    重厚な木の絵の存在感が印象的です。
    見返しの作者の前書きが滋味深いです。
    遠くと近く。
    多くの気づきがあるように思います。
    冬のある日、老木のけやきが命尽きて倒れます。
    森のどの木々より高い光景を知っていたのに、
    今はどの木々より低い光景を目にするのですね。
    その穏やかな気づきが、余韻として残ります。
    擬人化していないのに、けやきの木の声や表情が立ちのぼります。
    小学生くらいから、その思いを感じてほしいです。

    投稿日:2020/05/04

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