星野道夫というと、市川市の名誉市民であり、ヒグマに襲われて亡くなった冒険家です。
数々の写真集を出し、テーマはアラスカの大自然。
頭では知っていても、絵本として振り向くことがなかったのですが、何気なく手にした『ナヌークの贈りもの』は、本当に星野さんがシロクマに魅せられていることがわかります。
それはまるで子供のように純真無垢なカメラアイ。
これだけの写真を撮り続けるにはどれだけ大変なのか、そんなことも子どもに伝えたいと思います。
この本では、それだけではなく星野さんが文章でも味わいを見せてくれました。
詩情あふれる話。星野さんがこれだけのストーリーを描いているのは、やはり心底シロクマたちに向かっていることと、まるで仲間ででもあるかのようにとても近いところに眼があるからだと思います。
星野さんの夢と、アラスカに向ける情熱、子どもたちに伝わるものがぎっしり詰まった写真絵本でした。