家族のために、苦労はいとわない。そんな男の生き様を見せてくれる一冊です。
父親が息子に、自分の父親(つまりおじいさんですね)の
思い出を語るという形式で物語がすすみます。
食べるものにも困るほど暮らしがきびしかった冬。
ある日、おじいさんが遅くまで働いたため、家に帰るための
汽車に乗り損ねてしまいました。
遠い道のりを歩かなければならなくなったおじいさんは、
なんと凍った湖の上を歩いて帰ることに!
”いちばんきびしいふゆ”というタイトルから、「湖の氷が割れて
おじいさんが落ちてしまうんじゃ・・・」などと縁起でもない想像を
めぐらせてしまいました。
でも、凍った湖には、私が想像したのとは違う展開が待っていましたよ。
文章の端々に、おじいさんの強さ、たくましさがあらわれていて
なんだかほれぼれしてしまいました。