“五味太郎”さんの’77年の作品で、かなり初期のものだと思います。
正直最近まで“五味太郎”さんの絵本とは疎遠だったのですが、
絵本紹介を読んで面白そうだと思い、手に取りました。
“五味太郎”さんの絵はどのページを抜き出しても“画”になるところが
すごいところで、(僕は)とりわけこの絵本は色使いが豊富で、
グラデーションが効いているところも多く、丁寧に書き込まれた印象と、
初々しさを感じる作品に思えました。
おじさんが持つ“つえ”らしきものが、
ある時は“でんわ”になったり“そり”であったり、“てっぽう”になったりと、
奇想天外に変化して、子供も大人も読んだら「そうきたか」と唸ってしまうでしょう。
特にうちの息子は“そり”に乗って滑っちゃうところが
お気に入りのようです。
おじさんはいつのまにか森の動物とも仲良くなっていたりして、
ストーリーがあるようでないようで、どっから読んでもいいような
自由でゆる〜い空気が流れている感じが好きで、
何度でも読み返してしまう絵本です。
ところで“五味太郎”さんをイメージする色って、何でしょうか?
皆さん一緒でしょうか、はたまた人それぞれ違いますか?
僕の勝手なイメージですが、緑青色や青竹色、ピーコックグリーン、マラカイトグリーンといった
緑系統を見ると、すぐに“五味太郎”を感じてしまいます。
それだけインパクトのある個性を持った作家さんなんですね。すばらしいです。
もう僕の中にしっかりと根付いてしまっているようです。