『赤い靴』の話は、何度か目にしたことはありましたが、あまりじっくり読んだことはなく、靴が勝手に踊る・・・くらいの記憶しかありませんでした。
改めて読んでみて、ずいぶんと宗教的な道徳観のようなものに支配された話だったのだと気づきました。はじめは、靴もはけないような貧しい娘だったカーレンが、たまたまもらった赤い靴に執着してしまい、裕福なおばあさんに引き取られてからも、戒律で禁じられているのに誘惑を断ち切れずに赤い靴を履いてしまう。その上、赤い靴が象徴する快楽(舞踏会)と勤め(おばあさんの看病)を比べても赤い靴を選んでしまうようになります。
そのような宗教的、道徳的な罪を赦されるのは、足を切り落として懺悔をすることによってのみなのですね。
小さい子にはただの怖い話になってしまいますが、小学校高学年くらいになって、人としてどのように生きるべきかを考えることができる時期に読むべき本かと思いました.