春はいきなりやってくるのではなく
冬の終わりに土の中で少しずつ準備をし
あるとき、虫や草花が一斉に春になって表に出てくることを
ファンタジーの世界の観点から描いています。
福音館書店のかがくのともなどで読む季節の絵本とは異なり
春の訪れが物語になっているので、とても夢があります。
その夢のある物語が、子供にしっくり来るようで
5歳の息子の中にもストンと物語が入っていきました。
「ねっこのこどもたちは、ふゆのあいだねていられていいなぁ」
と言ってきた息子を見て、ねっこの子どもたちの存在をすんなりと受け入れており、そうしたものを信じられなかった幼少時代を送っていた私は羨ましく感じました。
絵もとても丁寧で見ていて美しく、石井桃子さんの訳もとても美しい日本語の響きで読んでいて心地がいいです。
かがくのともなどが好きな男の子にも読んであげてほしい絵本です。