赤ちゃんのお世話に忙しそうなお母さん。
なっちゃんは、それを察して、色々自分でやろうとします。
そしてそれぞれ「ちょっとだけ」成功します。
赤ちゃんができてよかったね、と言われた時も、「ちょっとだけ」頷きます。
そんな健気ななっちゃんが、最後にお母さんにお願いします。
「ちょっとだけ抱っこして…」と。
それに応えるお母さん。思わずホロッ。
この本のいい所は、なっちゃんが我慢を「させられている」のではない所。
お母さんは「忙しいからちょっと待ってね」と言っているわけではありません。
なっちゃんが、お母さんの忙しそうな様子を見て、自立しようとしているのです。
その姿がとても健気で愛おしい。
そして最後のお母さんの語りかけがとても美しい言葉で、
ああ、素敵なお母さんだな、なっちゃんはこの先大丈夫だな、と読者も安心するのです。
温かい気持ちになれる、とても素敵な一冊です。