赤ちゃんを抱っこしているお母さんをじぃっと見上げているねこのなんとも言えない表情。
表紙の絵にひかれて、思わず手にとった絵本でした。
ねこはお母さんが大好き。でも、この頃、つまらないなぁと思っている。それは、お母さんのひざに、いつもいつも赤ちゃんがいるからなんです。
朝も昼も夜も、お母さんはずっと赤ちゃんのお世話をしている。だから、ねこには、「ちょっと待ってね。」「後でね。」って言うんですね。
赤ちゃんなんてつまらない。寝て、起きて、泣いて、おっぱい飲んでの繰り返しで、歩くこともできないし、ご飯も食べられないし、顔も洗えない。でも、ちょっと甘いにおいがするんですね。
ねこは、一生懸命がんばってるんです。自分はじっと我慢して、赤ちゃんに、大好きなお母さんのひざを貸してあげている。自分はもう大きいんだから、草の中でだって、屋根の上でだって眠れるんだって。でもね、後ででいいから、待ってるから、少しでいいから、やっぱり、時々抱いてほしいんですね。
お母さんと赤ちゃんの一歩後ろで、いつもいつも、お母さんと赤ちゃんの様子を見ていたねこが、最後に、お母さんのひざで抱っこしてもらっている、その幸せそうな様子がとても温かい気持ちにしてくれる絵本です。
これって、弟や妹がが生まれた時、上の子が感じることと同じなんだろうな。
自分は、もう、お兄ちゃんなんだから、お姉ちゃんなんだから...って、がんばっているんでしょうね。
でも、やっぱりかまってほしい、抱っこしてほしい。
うちの子も、7歳と4歳の2人姉弟です。
上の子は、わりと聞き分けもよく、弟をよく世話してくれることもあって、ついつい、もうお姉ちゃんなんだから、と下の子をかばいがちになるけれど、うちの子もこんな気持ちでいる時、あるんだろうなぁってちょっと思ったりする1冊でした。