原題は『I WANT MY HAT BACK』。
そう、表紙のクマが、見当たらない帽子を探す、というシンプルなストーリー。
でも・・・。
クマと、出会った動物たちとの会話で進みます。
でも、何といっても、絵から状況を読み取るスリリングさがすごいです。
ちょっとした目の表情、視線・・・。
しかも、長谷川義史さんの初翻訳による、究極の大阪弁が見事です。
衝撃の結末は、読者の推理力に委ねられます。
「うさぎなんかさわったこともないで。」
この訳文に込められたニュアンス、感じてください。
インタビュー記事から、原文に「eat」があると知ってびっくりです。
小学校のおはなし会で読みました。
もう読んだことのある子もいて、やはりインパクトがあるようです。
でも、軽快な大阪弁の会話劇に、初めて聞く子どもたちはグイグイ惹き込まれているのがわかります。
ラストは、あえて余韻を残しておいたほうがいいですね。