トルコのとんちおじさん、ナスレディン・ホジャ。知恵と勇気とユーモアに溢れたお話4つ(1つは若いころの話)を収録。
ぐでんぐでんに酔っぱらった裁判官、おそろしい兵士、その辺に植わっていたクルミの木、とても威張っている金持ちのお坊さん。これらの一筋縄ではいかぬ面々を相手に知恵とユーモアで奮闘する我らがナスレディン氏。奇想天外な展開におどろく。
日本のとんち昔話とはまた違った感覚。
個人的に一番すきなのが、「ナスレディンと裁判官」の話。酔っ払いの後始末をどうする?という問題は洋の東西を問わず、存在した。すごい酔っ払いで、半分裸で、上着もターバンもおっぽり出して溝にはまって爆睡中!(実際の絵は、本でご覧ください) この時代の人たちはイスラムという設定だと思うけど、イスラムはお酒禁止よ!何か特別なことでもあったのか、不正なのか、詳細は不明だが、この酔っ払いぶりは尋常ではない。よくこの裁判官は生還したな!これに懲りて、休肝日をつくるか、酒量を控えるかして、裁判と国民の安全を守って欲しい。きっとナスレディン氏もそう言っているはず。