物語はミミという女の子が遠い場所へ引っ越す為に、おかあさんとバスに揺られている場面から始まります。
読み始めて少し経ってから、なんだか違和感が…
山の道や小川のそばのすみれ、綿毛になり始めたたんぽぽ…ミミにとって初めての大切なものとのお別れです。
ん?大切なものって、友達とかじゃないの?
ひさしやまが拓けて、人や車が増えて危ないからから引っ越すの。
んん?色々便利になるのに、何で引っ越すの?
黄金色の髪、愛らしい瞳、名前のミミ…
その全てが、なにか引っかかる不思議な女の子だなと思いました。
表紙と裏表紙を見てきつねが出てくるのだなとは分かっていましたが、静かで寂しいお話だと思っていたので、思いがけないラストに驚きました。
だからおかあさんは、バスでは誰とも話しちゃだめって言ったのね
もう戻れないって、ミミの目から涙が零れそうになったのね
バスで会った女の人は、ふたりに気づいていたんですね。
もしかしたらおかあさんも気づいていたのかもしれない…
ミミはもう、ふるさとには戻れないです。
きっとミミとおかあさんが、最後の生き残りだったんじゃないかな
ミミやおかあさんに、ごめんなさいと言いたい