図書館でタイトルに惹かれ手に取りました。
作者は「日本のアンデルセン」ともよばれる小川未明。
そして、表紙絵で絵が石井先生だと気づきました。
凄いユニークな組み合わせだと思い読みました。
小川先生の創作活動は、1900年代前半。
この妙な男は、当時としてはまさしく妙であったかも。
人間関係をうまく築けず“ひきこもり”が社会問題になっている今の世には、こんな男が夜中人目を避けて、闊歩しているかもと思いました。
思うに、発表当時の読者は電信柱のキャラクターの方に目が向いていたのでは、とも思います。
子どもたちにとって、真夜中は夢の世界と同じくらい未知なもの。
こんなこともあるやもと、おもいえがき読んだのではないでしょうか。
人間嫌いの妙な男と掟破りの歩く電信柱が、夜が明け衆目にさらされるページには笑います。
子どもたちへ、“夜は出歩くものじゃない、いい子で寝んね”と言うメッセージを送っているという見方は、穿ち過ぎでしょうか。
息子は、この妙な男の行く末を案じていました。
石井先生のセンスの良い絵で、楽しい作品に仕上がっていると思いました。