まず絵本の「絵」としては申し分ないでしょう。すごくきれいだし。
「キラキラ」大好きですよ、うちの娘も。 絵だけなら★5つって感じ。
んで、内容ですが…。 何か作者のいい教訓絵本を作ろうみたいな意図が見え見えというんでしょうか。 だいたい無理がありますよ、教訓めいた絵本のストーリーって。
非常に傲慢な性格ですよね、このにじうおくん。 表面上の美しさを美徳と思っているタイプ。 でも彼は大切なのは中身の美しさだってことに気づいたのでしたと言いたいらしい。
きれいなうろこなんか一つあればじゅうぶんさ、それよりももっと大事なものを君は手に入れることができたんだから!ってなもんですな。 気に入らない…。
うろこくれたら急に友達になってくれるような友達ってうろこより大事でしょうか?
それに、他のさかながしつこい! いやだって言ってんだからやめなさいって。人のいやがることは言わない、しないっていううちの教育方針どうしてくれんの!
まあ、にじうおくんはすごくしあわせな気分になったらしいし、とにもかくにも性格悪いのはなおったわけだからよろしいんでしょうが。
それに「いじめ」の匂いがプンプンする。 まあにじうおくん自身をかなり嫌な奴に設定してあるからまだいいけど、仲間はずれにならないためには金品差し出す…的なものを感じるというか。
こういうストーリーにしかできなかったのかなあ…。 絵がきれいなだけにもったいない気がする。 うん、絶対もったいない!
んで、お約束。 娘に聞きました。 くれって言われてあなたならどうする♪ 当然の答え、「あげるのヤダ…」。 「でもこんな意地悪な言い方はしないよ、ごめんね、ちょっとダメなのって言うよ」。 言い方はソフトでも結局あげないんじゃんみたいな。
そこで、じゃあくれなきゃ遊んであげないよって言われたらどうする?って聞けます?
おいつめてどーすんだって話でしょう。 現実ならそんな子と遊ばなくていいよってことになるでしょう。 言い方の問題じゃないと思う。 あげないことがいけない子みたいになって、しつこくしたり、仲間はずれにした他の子はじゃあどうなの?
結論からいうと、露骨に教訓めいたことを伝えようとする絵本はあまり好きになれない。そういうことって絵本の力なんか借りずに実体験の中で親が教えていけばいいんですよ。
もっと違うことを絵本に求めているすみぃなのでした。
ただ、さすがによく見てるなあ、見てるところが違うなあと思ったんですが、彼女いわく、でもこのにじうおくん、ひれにもキラキラがあるよって言ったんですね。 気がついてい
ました? そうなんです。 そしてひれのキラキラだけは誰にも奪うことができないんです。にじうおくんは、例えキラキラのうろこが他の子と同じ1枚になっても、やっぱり特別なにじいろのさかなくんだったのです。まだストーリーに救いがありましたね。 もしも作者がここを意図してればの話ですが。
これって狙い通りなの?