図書館で、おさるシリーズの見たことがない本があったので、早速借りてきました。
おさるシリーズは、おさるくんの一人語りで何気ない日常が語られるのですが、その中に人生訓のようなものが織り込まれています。ですから、何気なくページをめくっているつもりだったのに、読み進めていくうちに心がユラユラしてくるのです。
読みながら哲学することが出来る『あな』(谷川俊太郎:作)に感じが似ています。
今回のおさるくんは、いつも自分達を見守ってくれる山について考えます。そして山の気持ちを知るべく山のてっぺんに登ってみるのです。
おさるくんは、てっぺんに登って山と同化することで、山の気持ちを知ることが出来ますが、今の自分にはまだまだやることがあり、山の庇護の下に戻っていくのです。
見守る者と見守られる者。今のおさるくんは、まだ見守る者にはなれません。でも、今の自分をしっかり見つめ、自覚することで、いつかは見守る者へと成長していくことでしょう。
あせらずにゆっくり成長していこう、と優しく諭されているような気持ちになります。
小さいお子さんにはあまりよくわからないと思います。思春期に入り、自分とは何かを模索し始めた年頃に適しているかもしれません。
すーっと肩の力が抜けて、新しい元気が湧いてくる本です。