幼少時代に読んだ絵本の中で、大人になってからもあらすじを思い出せる
ものといえば、圧倒的に、「むかしむかし…」で始まる昔話の類でした。
その中でもひときわ鮮明に記憶しているのが、この「かさじぞう」です。
当時(昔話の舞台)は、年を越すだけでも一苦労だったんですね。
おそらく、私たちの先祖もそういう時代を乗り切ってきたのでしょう。
かさじぞうの話を読むたび、昔と今の生活事情のギャップを思い知り、
いろんな思いが湧いてくるのです。
売れなかった傘をお地蔵様にかぶせてきたと話すおじいさんを、
『そうか、そうか。かさをもってきたって、こんやのたしにはならないもの。
おじぞうさまにあげてよかったな。そだらば、つけものででもとしをとるべ』
と温かく迎えるおばあさん。こんな優しい奥様を持つ旦那様は幸せです。
思わず我が身を振り返り、反省…。
大人になった今も、じんわりとした温かさをくれるかさじぞう、大好きです!