夜の部屋に懐中電灯を持って冒険に出かけるなんて、子ども心をくすぐるワクワクする体験ですよね。この絵本を読んで、私も子どもの頃、真っ暗な部屋で懐中電灯を使って遊んだ記憶がよみがえりました。光を壁に当てて影で犬やウサギを作ったり、部屋を照らして未知の場所を探検するような気分になったことを思い出します。
懐中電灯の光は、小さな丸いスポットを作り出して、普段見慣れた景色をまるで別世界のように感じさせてくれます。影が揺れたり、大きくなったり小さくなったりするのも不思議で楽しい!窓の外を照らすと光が細い筋になって遠くまで伸びていく。その光がどこまで届くのか、子どもたちはきっと夢中になって探求するでしょう。
また、この絵本では、色つきのビー玉を照らしたときに生まれる鮮やかな色の影や、光を動かして影が踊る様子など、懐中電灯を使った遊びがたくさん描かれています。それはまるで子どもたちに「光の魔法」を教えてくれるようなもの。みやこしあきこさんの木炭と鉛筆を使った重厚な暗闇の表現が、この物語にリアルな「夜」の空気感を与えていて、読みながら自分もその世界に入り込んでしまいました。
星空を眺めるシーンも、宇宙の壮大さと身近な光との対比が素敵でした。「星って何億光年も遠くにあるんだよ」と子どもたちに教えると、懐中電灯の光とはまた違った感動が広がるかもしれません。
この絵本を読むと、懐中電灯というシンプルな道具が、子どもたちの探求心や想像力をどれだけ膨らませるかがよくわかります。今夜、小さな探検家たちが懐中電灯を片手に新しい発見をする姿を想像するだけで心が温かくなります。光と影が生み出す不思議な世界を、親子で楽しんでほしい一冊です。