3歳の娘が図書館で「これ借りる!」と引っ張り出してきた本です。
いいよー、と応えたものの、
その時は内心(ヒエ〜……!)と若干引いてしまった覚えがあります。
なにせ、表紙がおどろおどろしいのです。
ぎっしりと線がひしめく空間の真ん中に、ちょうど映画の「バットマン」シリーズの
ジョーカーとペンギン男を2で割ったような風貌のトロルが、動物たちを見下ろしているというもので……
もし表紙の隅に、「スウェーデンの子どもたちがベスト1の絵本に選びました!」
と書いた、かわいいピンクのシールが無かったら、もっと借りるのを渋っていたかもしれません。
「おかしをたべていいのは、どようびだけだよ」とのパパうさぎとの約束を破ってしまい
恐ろしいトロルにさらわれて、無理やりお菓子工場で働かされてしまう、おとうとうさぎ。
連れられてきたたくさんの子供たちが働く工場で、おとうとうさぎは持前の勇気でトロルの秘密を暴き、
最後はトロルを改心させて、子どもたちがすすんでお手伝いにくる楽しい工場に変えてしまう、というお話です。
おとうとうさぎの絵柄はかわいいのですが、
トロルもお菓子工場の内装も、働かされているかわいそうな子供たちすら、ちょっとおどろおどろしい感じです。
幼児向けアニメを見ていてもすぐ「怖い〜」と逃げてしまう娘にこれはどうかな、と思いましたが、
意外にも展開を追うのに夢中な様子で、一気に読み終えてしまい「面白かった!」ととても好反応でした。
お菓子を食べると髪の毛がのびる、というトロルの設定も気に入ったらしく、
読み終えてからしばらくたっても、ふと思い出したように
「私の髪も(お菓子)食べたら伸びたらいいのにー」などと言って笑っていました。
おそらく、おとうとうさぎがすぐへこたれてしまうタイプではなく、
やんちゃで勇気があって、トロルの謎も自分が解いてやる!という頼もしいキャラだったからこそ
娘も安心して読めたのかもしれません。
大人の私には若干恐ろしげに見える絵も、
先入観のない子供の目には、ミステリアスで新鮮に映るのでしょうね。
スウェーデンの子どもたちを信じて借りて良かったです!
シリーズものだそうなので、他のも読んでみたくなりました。