内田莉莎子さんの本の中から選びました。
話の力と絵の力で、娘(4歳)は気に入ったようで絵本を読む度にリクエストします。
あるジプシーが、けちんぼうの主人のところから逃走し、その道中に助けてあげた「おおきなさかな」に「わかワシ」、それから「アリの王さま」に、今度は助けられて、愛する王女さまと結ばれるまでの壮大なお話。
「なんでも見える鏡」をもった王女さまは、自分からかくれおおせた者を夫にするという。その王女さまを相手に「かわの底」、「空高く」、それに「地中ふかく」と壮大なかくれんぼ!絵は質感があって見開きに展開されるので、娘もすぽっとその世界に入り込む様子。
クライマックスに、「なんでも見える鏡」で自身の心の中にジプシーの姿があるのをみた王女は、彼を愛しているのを自覚し、どこにかくれたのか分からないジプシーを心配して、鏡を割ってしまいます。どうしてこのとき割ってしまったのか、私はまだピンと来ないのですが、愛する人を知った王女にとってはもう見るべきものはみてしまって、「なんでも見える鏡」は役目を終えはしたと思います。
それにしても、「なんでも見える鏡」はこころの中まで見せてくれるとは!そんな鏡があったら・・・・やはり怖くてみる勇気がでないかもしれないな。