どいかやさんの絵が好きなので、なんとなく手に取って4歳の娘と一緒に読みました。
うさぎが机の下で死んでいるという衝撃的な場面から始まります。
何故そこに倒れているのか、何故死んだのか。何の説明もありません。ただ、発見者の女の子が、名前を付けた美しいルーピースーの絵を何枚も書き、花で飾って、埋葬する様子が淡々と描かれていきます。うさぎが土にかえったら、その土で野菜を育ててみんなでいただこうと考えながら。そこに、死への恐怖や嫌悪感なんて微塵もなくて。
「ルーピースーのことが 心から うらやましいと 思いました」
とすら言いきる女の子。
瑞々しく鮮やかな絵が、不思議な切なさと温かさを盛り上げます。
とても短くて簡潔な文章の奥に、紙上では語られない、生と死と再生の哲学がたくさん詰まっているように感じました。どう感じ、どう解釈するかは人それぞれだと思います。
「死」をちゃんと理解していないであろう娘にはちょっと難しかったかな。
最後のページには、飛び跳ねる元気なルーピースーが描かれていたので、「ルーピースーは元気になってよかったね」というとんちんかんな感想でしたし。
17cm四方の小さな本なのですが、私にはちょっと心に残る一冊となりました。