娘の学校で、今週、「Leprechaun(アイルランドに伝わる小さい老人の姿をした妖精)を捕まえるためのわなを仕掛ける」という宿題が出て、親子3人アイディアを出し合って作りました。「わな」と言っても、甘いものやキラキラ光るものが大好きなレプリコーンのために、好物をたくさん用意し、きれいに飾り立てた「小人のおうち」を作る、という感じなのですが、何とも夢があって、楽しい宿題に娘もわくわく!
そこで、「100人つかまえちゃう!」と張り切っている娘に、さらに大きく想像の翼が広がれば、と思い、この絵本をプレゼントしました。(こちらのサイトでいただいたポイントで初めて購入させていただいた絵本の1冊で、今までクローゼットで長い間温め続けてきた(!)絵本でしたが、時期を待っていた甲斐があって、ちょうどよいタイミングで渡すことができました。)
娘は「もりのこびとたち〜〜!?」と、タイトルを読んだ瞬間から、興奮気味です。
きのことそっくりの赤い帽子を被った小人の子供たちが、人間や獣から身を守るために、しゃがんでじっとしているのを見て、
「Jは、じーっと見ていて、あっ、動いたな、きのこじゃないな!って、つかまえちゃうよ。」
子どもを背中に乗せて飛ぶ年寄りコウモリには、「Jも乗ってみたい?」と聞くと、「うん!」と元気な答えが返ってきたので、「どこへ行きたい?」と聞いてみると、「Japan!」と、迷わず即答。年寄りコウモリさん、太平洋渡れるかなぁ?
アリに刺されて泣く小人の子を見て、自分は「ジャイアント」だから泣かないよ、と言って笑い、トロルにさえも、にこにこ顔。「三びきのやぎのがらがらどん」に出てくるトロルは怖がっていましたが、この森に住むトロルは、「joking(ジョーク)してるだけだよ」と笑っています。
わたすげ(綿菅)の実を摘んで、それを糸や布にする場面は、「ペレのあたらしいふく」の一シーンを見るようですね。人間も小人たちも、自然と深く関わりあって生活していたことがうかがわれます。
「ふくろうがっこう」では、森で生きていくために大切な「知恵」を教えてくれます。とかく「知識」だけを詰め込んで覚えさせようとする現代の学校教育についても考えさせられるところです。
森には、春夏秋冬を通して、楽しいことがいっぱい。寒い冬にも、お天気がよければ、子どもたちは、うさぎにそりを縛って、そりすべりを楽しみます。ちょうど数週間前、雪遊びに行ったとき、娘も同じように、飼い犬にそりを引っ張ってもらって滑ったばかりだったので、この場面は特に楽しめたようでした。
でも、何と言っても、子ども達が待ちこがれるのは春ですね。雪解けの小川で思いっきり遊ぶ子どもたち。
「こびとのこどもって ほんとに すてきです! だって うえからしたまで ずぶぬれになっったって
しかられもしないし かぜも ひかないんですよ」
夕方、草花や果物の汁で染みをたくさん付けて来た娘の服を、ごしごしと手洗いしながら、「この染みって、なかなか落ちないんだよね〜」なんて、ぶつぶつ小言を言ってしまった後だったので、この部分を読んだとき、すぐさま、「ママ!こつん。」と、娘にげんこつをもらってしまいました・・・。
本当に嬉しそうに、全身で春の喜びを感じながら遊んでいる小人たちの絵を見ながら、「明日は思いっきりどろどろに汚れるまで遊んできていいよ」と、自然に言えました。
「このさきは、みなさんが じぶんで かんがえてごらんなさい」という終わり方も、本当に素敵ですね。
娘は、右ページが真っ白のままになっているのに気づいて、「えっ、Jが考えていいの? ここに描いてもいいの?」と聞いてきました。最後の最後にも、もう1枚、白紙が添えられているんですよね(全部で3ページ)。これは、本当に、娘が言うように、子ども達が自由にお話の続きをかくように、という意図があるのでしょうか?
いずれにしても、粋な終わり方で、本当に物語がどこまでも続いていくようです。「一生の宝」と呼べるような絵本に出会えた気持ちで、娘も私も特別しあわせな思いを味わえました。