ターシャ・テューダーは、1945年に「Mother Goose」1957年「1 is One」で、コールデコット賞オナー賞を受賞しています。
ただ、残念ながら未訳。
ターシャには、長女ベサニー、長男セス、次男トーマス、次女エフナーと4人の子供がいますが、この作品はエフナーの作で、ターシャ・テューダーが絵を描いているという記念すべき作品です。
物語は、クリスマスの前夜、吹雪の森の中を、一匹のこねこが歩いているシーンで始まります。
何故、こねこが?と思ったら、実は人間に捨てられて、途方に暮れて森の中を彷徨っていたのでした。
次のシーンは、森の中の4人家族の住む家の暖かいシーンが繰り広げらます。
息子達がクッキーを焼いたり、馬小屋を飾りつけをしたりと、心まで暖かくなるような明るい家の中は、およぞ吹雪の森とは対照的。
次のシーンで、森の中に2頭の馬に引かれた背の高い男の人が、沢山の木の実なんかを運んでくるのですが、その鈴の音に動物達が集まってくるのです。
森の動物達にとっては、クリスマスプレゼントのようなものなのですが、この背の高い男の人は、先ほどの森の中の家のご主人です。
あの家の暖かさは、やはり、この主あってのものなのだという気がしてなりません。
このとき、こねこを発見し、この男の人は、ある想いを巡らすのです。
結末は、大いに楽しみに出来るもので、良く出来たストーリー展開だと思います。
ただ、ページ毎の話がかなりとぶので、丹念に読み聞かせしないと、理解が難しいでしょう。
読んだ人の感想の中には、男の人を変ったサンタクロースと捉えていた位ですから、展開に補足がいるかも知れません。
クリスマスの相応しい作品としてオススメします。