ポール・ガルドンは、1914年ハンガリー生まれ。
1928年14歳のとき、家族でアメリカ移住し美術学校に通った後、出版社の美術関係の仕事に就き絵本の世界へ足を踏み入れています。
民話やグリム童話などを再話し、挿絵を描き生涯にわたり300冊以上の作品を世に送り出したアメリカの人気絵本作家。
原題は、「The Little Red hen」
物語は、
「むかしむかし
ねこと いぬと ねずみと
おとなしいあかいめんどりが
いごこちのいい ちいさいいえに すんでいた。」
という書き出しで始まります。
働き者のおんどりと、怠け者の3匹の対比が最高です。
特に、おんどりが何かを頼むと
「いやだね」と ねこは いった。
「いだだよ」と いぬは いった。
「いやだな」と ねずみは いった。
と、この繰り返しがたまりません。
おんどりは、小麦の種を見つけ、3匹が手伝ってくれないので、種蒔き、水やりから刈り取りまで、全部やってしまうのです。
最後は、小麦を挽いて粉にして、お菓子を焼くのですが、その香ばしい匂いに誘われて、3匹はやってきます。
ここからのやり取りが、実に爽快。
日本の話だとこうは決してならないような展開が、溜飲を下げるというに相応しく納得の出来るものだと思います。
働かざる者 食うべからずを地でいくようなストーリーは、小気味良いテンポがあって、楽しめること間違いありません。
いつもながらの、雰囲気のあるガルトンの絵も、ストーリーと合っているので、完成度の高い作品となっていると思います。
幼稚園児の読み聞かせに、是非オススメしたい作品です。