娘の幼稚園のお薦め絵本の一冊だったので,借りてみました。
親しみがわくゆきだるまの「ボク」、融けない魔法をかけてくれたゆきのおじさんの「ホナホナホナ・・・」と去ってゆくシーンから物語が始まったとき、クスクスっと笑える珍道中が描かれているのかしら?と思ったりしたのですが、何と何と!こんなにまで素敵で感動する絵本だったとは思いませんでした!
暖かい日も暑い日も融けない魔法によって、ゆきだるまは自分の知らない季節や世界を知ります。その発見や感動が一人称で描かれていたので、読んでいるこちらも感情移入がしやすく、とても効果的だと思いました。
春も夏も秋も冬も、通年を生きている私たちにとっては何気ない風景も、その季節にいないはずの「ボク」の目を通すと、何て美しく素晴らしいものに見えてくるのでしょうか。もちろん、たまには自分自身も、美しい青空だとか紅葉に目を奪われたり、感動したりもしますが、それらは何となく当たり前に享受している世界であり、風景でした。でも「ボク」というフィルターを通すと、生きているって何て素晴らしい!と思わずにいられません。
元気に生きていること、生かされていることに思わず感謝、合掌したくなるような絵本でした。ゆきだるまとゆきのおじさん、「ありがとう」