私がこの本を一人で読んでいたら、こそっと5歳の息子がやってきて、たまたま開いていたページがやまんばのアップの怖い顔!「怖い〜もうページ閉じて〜!」と叫んでいました。小学生の娘も「やまんば怖っ!」と引いていましたが、私が読み終わりしばらくすると、怖いもの見たさからか、一人で読み始めました。その後、息子もページを開けて、怖いページになると閉じて次のページを開くというのを繰り返していましたが、時間が経つにつれて慣れてきたようで、「おかあさん読んで」とこの絵本を持ってきました。
三枚のお札のお話は、たくさんあって今までに娘や息子に読んであげたことがあるので、娘は「前に読んだ本は、お札から火が出てたよ。」とか「こぞうは栗拾いに前は行ってたし、お札の二番目が砂山で三番目が川で入れ替わってるよ。」なんて言っていましたが、やまんばの迫力はこの作品が一番ではないかなあと思いました。それから、おしょうさんののんびりした感じとやまんばの怖さの対比がとても面白く、大人も楽しめました。昔話はいろいろな伝わり方がしていて、さまざまなバージョンが楽しめるのが嬉しいです。親子で話が盛り上がりました。
最初のところで、おしょうさんがこぞうさんに日暮れまでには帰ってくるようにお話してくれていると、最後に山寺にやまんばが来た時、おしょうさんとの約束を守らなかったから、なかなか門を開けてもらえなかったという場面があると、親としてはそこの所を伝えられたかなあと思いました。
彼岸花が美しく、お彼岸のころにまた読みたいなあと思いました。