作者のデイヴィッド・メリングは、イギリスの絵本作家。
ユーモラスで、大胆なイラストが、広く人気を博していると但し書にありましたが、まさにその通りの内容です。
久しぶりに、強烈な個性のある作家との邂逅があった思いです。
やんちゃものとは、オオカミ一族。
9匹と赤ん坊という構成ですが、それぞれのキャラクターが、全くと言って良いほど異なります。
オオカミって言うと、大抵同じような体型で描かれていることが多いのですが、それが、全くの別物として描かれています。
最初は、満月なので動物達が揃って写真を撮ることになっているのに、やんちゃものだけが来ないというシーンから始まります。
やんちゃもの以外での撮影をしようとした時に、やんちゃものが乱入して、結局、写真に写っていたのは、やんちゃものだけ。
これに、腹を立てた動物達は、やんちゃものを朝ご飯に呼ばないことにするのです。
困ったやんちゃたちが取った行動とは、動物達の日常生活をつぶさに観察して、他の動物達と同じ行動が出来るようにすること。
他の動物の家を、秘密裏に観察するシーンが爆笑もの。
詳細に描かれていて、絵がマンガチックなので、なおさら楽しめると思います。
観察後は、その練習。
要は、マナー全般について徹底して遵守するということ。
ものの使い方を覚えたやんちゃたちは、準備万端、動物達の朝ご飯に参加して、快く受け入れられます。
今度は、逆にやんちゃたちのマナー水準が高くなり過ぎ、動物たちに疎まれてしまいます。
でも、月が出るや、状況は一変。
非常に良く練られた展開だと思います。
繰り返しになりますが、マンガチックな絵なのですが、とても魅力的な絵だと思います。
ヘラジカが腕組みをして思案している姿なんて、爆笑間違いなしではないでしょうか?
細かい部分まで丁寧に描き込んでいるので、何度見ても新しい発見がある、そんな絵本に仕上がっています。
ただ、文章量も多いので、しっかりと流れが理解出来ないと、絵本の楽しみが半減してしまうので、対象年齢はちょっと高めかも知れません。
他の作品も読んでみたい作家に加えたい1人です。