アメリカの図書館の児童書コーナーで、真っ先に目に付くのがこの絵本。どこの図書館に行っても、このシリーズのうち1冊は、お薦めコーナーの棚に陳列されています。もちろん娘にも読んであげましたが、そのときの反応はいまいち。
ところが、谷川俊太郎さんの訳で読んでみると、食い付き方がまったく違うんです! 「光物だ〜いすき!」な娘ですが、銀のうろこばかりに目を奪われるのではなく、まさにストーリーに引き込まれる、といった感じでした。
ラストのシーンで、にじうおが、みんなにうろこを分けてあげると、思わず笑顔で大拍手。そして、まだ背びれや尾びれにも残っている銀色の筋模様を数えて、(筋が9本で、魚もにじうおを含めて9匹なので)「あっ、ちょうどいいよ! こっちもみんなに分けてあげれば?」と、提案していました。
娘に、自分だったらどうする?と聞いてみたら、「うろこみたいなキラキラ光るシールを、お手紙の中に入れて、みんなにあげる。」との答え。なんだか小学生らしくて、かわいいな、と思いました。
賛否両論あるようですが、にじうお自身も、周りのみんなも、しあわせそうな笑顔に包まれた最終ページ、そして、それを見つめる子どもの純粋な笑顔に、教訓、物欲云々も、すべて消えていったような気がしました。
これからも子どもの感受性を大事に、評価も子どもの視点でしたいな、と思います。