「すきなおやつをもらうために、きみならどのくらいとおくまでいく?」
とびらのこの文に、「えーっまさかこの子月までいっちゃうってワケ?」と興味津々の娘。
最初のページ、ムーンパイ食べちゃダメと言われても、「外であそんでいらっしゃい」といわれるジミーに、娘は一言。
「おやつだめでも外で遊んでいいなんて、いいな。おかあさんやさしいね」
娘には晩ご飯前に外で遊ぶ習慣がないので、ちょっとドキッとする発言ながら、「外で遊んでいい」自由の権利の偉大さを、その後実感。
ジミーは、外に行く事を許可されたからこそ、こんなステキな冒険ができたのです!
みるみる世界が広がっていく、スケールの大きい連想ゲームのようだと、この勢いある展開に思いました。
「ムーンパイ」→「月までとべたらな」→(なんと!!!)「ひみつののりものが飛んだ!!」→「ムーンパイゲット」→「ムーンパイに合うミルクがほしい」→「月をとびこした牝牛」→「ミルキーウェイ」・・・果てしなく続く大冒険。
『そうぞうりょくをなくしてはいけない』との最初の言葉どおり、まさに想像力さえあれば、どんな冒険だってできてしまうという基本を、改めて思い知らされました。
そのままオーナメントとして部屋に飾りたいような、味のある「月の王様」の絵(帽子はかぶるお月様はいても、ふつう髪の毛や、体全体には服着てませんよね。眼鏡も鼻も、すべて小洒落てます)に魅かれて選んだこの絵本ですが、予想をはるかに凌ぐダイナミックな絵本でした。
読み終えて「ムーンパイって、ほんとにあるの?」と娘。
あるんだよ、と答えると「へーーえっほんとに???」
随分気に入っている様子なので、一般的なお菓子なら、アメリカに住んでいる妹に頼んでお取り寄せしちゃおうかなっなんて思ってしまいました。