どうやら夫婦らしい平田両氏による、ハートフルコメディ。
翌2009年に発売された傑作『おかん』と『おとん』(我が家の殿堂入り作品)を読んでいたので、前作のこの作品でもう『おかん』と『おとん』の基盤が出来上がっていたんだと知って、嬉しくなりました。ぬくもりを感じる家族像は、もしかしたら実生活を描いているのでは?とも思ってしまいます。
関西弁を語る『おかん』が染みわたっている我が家では、標準語で話すこの作品に違和感を覚えてしまい、途中から関西弁に吹き替えて読むことにしました。ノリの良いこの家族には関西弁がよく似合います。
とうちゃんと息子が釣りに来て、退屈しはじめた息子がとうちゃんに声をかける「ねぇ とうちゃん」のところを、「なぁ とうちゃ〜ん↓?」と甘え声にしてみると、かなり『おとん』っぽくなってきます。とうちゃんは面倒くさそうに、「はぁ↑? なんやぁ↑?」と釣れないだけにつれない返事。読むほうは気分がぐんぐん乗ってきます。やっぱり関西弁がよく似合う家族です。
普段、関西弁に触れる機会が少ない我が家にとって、関西弁の絵本は初め読みにくかったものですが、『じごくのそうべえ』と出会い、つっかえながら何度も何度も練習するうちに、関西弁の楽しさを覚えたことを思い出します。下手でも、いっそ関西人になったつもりで、思い切り読んでみたらええっちゅうことでっしゃろかぁ↑?ぜひ家族で、関西弁読みに挑戦してみて下さい!