大好きなバージニア・リー・バートンの作品なので読んでみました。
何と言っても、「ちいさいおうち」と「せいめいのれきし」は、絵本史上に燦然と輝く作品だと思っています。
今回の作品は、1941年初版。
最初の絵本である「いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう」が1937年初版ですから、ごく初期の作品ということになります。
絵は、モノクロの版画風。
特徴的なのは、一頁に2つのコマを挿入したマンガのようなつくりになっていること。
絵自体も、躍動感のある絵はいつものことなのですが、細かく見ると、何処かマンガチックな作風となっています。
物語の背景は、西部劇の時代。
私が子供の頃は、TVでも映画でも西部劇が全盛だったのですが、今は殆ど目にすることがないので、理解するのが一寸難しいかも知れません。
主人公は、名馬のキャリコ。
キャリコと悪漢達との知恵比べが、二転三転しつつ続く手に汗握るという展開で、惹きつけられることでしょう。
最後は、やはり、バートンらしい締め括りとなっていて、安心して読むことのできる絵本です。
58頁あるので、読み聞かせよりも、自分で読む類の絵本だと思います。
純粋に物語として楽しめます。