表紙に大きくて怖そうな猫の絵・・・てっきり怖い猫と、ネズミの話だと思いつつ、読み進めました。
でも、お話は全く違いました!この猫、ネズミというものを知らなかったのです。そして、顔を赤くしたり、ネズミにバナナのことを教えてくれたり、何とも人間味あふれるイイ猫でした。
読みながら、息子は、猫とネズミの鳴き声についての掛け合いが面白かったらしく、特に「ぼよよ〜ん」には大笑い! でも、最後は気がつくとホロリとさせられる、これぞ宮西作品の醍醐味だなぁと思いました。
私が読んで感じた解釈では、猫は死んではおらず、「おじさんのことがちゅーちゅーだよ」と言ってくれたネズミたちのことを、猫も大好きになったんだと思います。たとえ、自分に嘘をついていたと分かったとしても・・・
裏表紙の絵は、「ちゅーちゅー」と命懸けで仲間の猫を呼び、自分を助けてくれたネズミたちに対する感謝の涙のように思いました。