鬼が出てきますが、大みそかと元日が出て来ますので、今からの時期に読むとちょうどよさそうなお話です。・
今昔物語集の中のお話らしく、人間の業というのか性というのか、一度悪に染まるとなかなか元に戻ることが難しいことが伝わってきます。
鬼のつばで透明人間になってしまった男。透明人間であることをいいことに、盗みを繰り返します。
ギリギリのところまでいかないと、人間ははっと気がつくことがないのかもしれません。
歯止めがきかない状態というのは、この男のようなことなのだなあと思いました。
傍目には悪いと思えても、根性を入れ替えるというのは至難の業なのかもしれません。
高学年あるいは中学生ぐらいでも読むのに良さそうな絵本だと思いました。
息子に読み聞かせしてみましたが、滑らかな日本語でつかえることなく読みやすかったです。
舟崎克彦さんと赤羽末吉さんのコンビというと日本の神話シリーズもありますね。
鬼の赤羽と言われ鬼を描くことの多かった赤羽さん。
鬼がたくさん出てくる場面が迫力がありました。
偕成社と赤羽さんが組んだ本はたくさんあるようですが、いい本出してますね。
この本は読み応え見応えと両方ありました。