日本は戦争の真っ直中で食べ物も不足していて、
いつもおなかをすかしてオニギリをねだる幼い我が子、ゆみこ。
そんなゆみこが初めて覚えた言葉は「一つだけ・・・」でした。
戦争によって貧しい生活が続くなか、父はゆみこのことを
「この子は、一生、みんなちょうだい、山ほどちょうだいと
いって、両手を出すことを知らずにすごすかもしれないね。」
と不憫に思いながらめちゃくちゃにたかいたかいするのです。
とても切ないですね。
そんな父は「一つだけ」とオニギリをねだるゆみこに、
コスモスの花を一つ手渡して出征しました。
この「一つの花」に、無事に帰れるかどうかもわからない
けれども、お母さんとゆみこがいつまでも幸せに
過ごせますように。と、たった一つだけ咲いていた
ちいさな花の命に、父の大切な一つの願いを込めて
渡したのかな?と胸があつくなりました。
このお話しは、私が小学生の時に教科書を通して
巡り会ったお話しですが、平和の尊さが一つの家族を通して
しっかりと伝わるお話しです。
是非、平和学習などの時にでもお子さんと一緒に読んでみて下さいね。