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くわずにょうぼう」 9歳のお子さんに読んだ みんなの声

くわずにょうぼう 再話:稲田 和子
絵:赤羽 末吉
出版社:福音館書店
税込価格:\1,100
発行日:1980年07月
ISBN:9784834007893
評価スコア 4.75
評価ランキング 807
みんなの声 総数 52
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9歳のお子さんに読んだ みんなの声から

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  • 菖蒲が咲く5月。こわいお話が好きな子ども達と、ストーリーテリングで楽しみます。「ぴた ぴた ぴた」「じゃぎ じゃぎ じゃぎ じゃぎ」「ぴつっ ぴつっ ぴつっ ぴつっ」「ざくっ」「びゅう びゅう」「ぶーん ぶーん」といった擬音語が耳に心地よい。
    「とんとんむかしがあったそうだ。」で、現実から離れて、お話の世界にいざなう。無駄のない、簡潔な言葉で話は進んでいく。
    欲張り男が、出かけるふりをして、様子を見ていると...美しい女房の正体があらわになる。頭の口がざくっと出てきて、にぎりめしをみんな食ってしまう。そしてけたけた笑う。鬼婆だった、女房に桶に入れられ、山へと運ばれる絶体絶命の時。鬼婆の弱点である菖蒲とよもぎがでてくる。菖蒲湯は邪気を払うといわれているし、昔は葉を束ねて、5月5日の端午の節句に男の子の腰に差したそうだ。よもぎも体内の毒素を出す作用があるという。
    赤羽末吉さんの絵の鬼婆も恐くて、夜、誰もいない部屋で読んでいると、鬼婆が本当に出てきそうな気がしてくる。でもおはなしに出てくる、鬼婆や大男は、どこか抜けていたり、弱みがあったり。
    昔話には、山の魔物や、力を持った婆様が出てきて、子どもを助けてくれたり、食べてしまおうとする。昔は今より、自然と人間が近くて、人間は、自然に畏敬の念を持っていたんだろうな、と思います。
    現代っ子達をも、引きつけてしまう昔話。昔話って、力を持っているんですね。
    お話の最後の「とっぴんしゃん」という言葉も、大学生になった娘も、気に入った様子。
    このお話は語り口も軽快で、リズミカルにテンポよく進んでいくので、スーッと、人の心に入って行くんだと思います。
    でもこのお話、恐がりの私が、夜寝る前に枕元で話されたら、トイレにいけなくなってしまいそうですが。

    投稿日:2013/05/19

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