5年前に父を癌で亡くし、その4年後に母が動脈瘤乖離で突然に亡くなりました。
父の死は告知から半年以上経過があり、覚悟をつけるまでの葛藤と悲しみはありましたが、死は自然に受け入れられました。
母が亡くなったのは突然で朝会って夕方には亡くなっていたという本当に突然のもので、覚悟もなく突然すぎて受け入れることが難しかったのです。
この絵本の主人公の7歳の少女は、両親が突然亡くなります。幼い妹と弟たちもいて、この子たちが死を受け入れるのはとても過酷な状況と言えます。
突然の死の場合は、呆然自失でしょうし、私の場合も毎日のように泣いていました。
両親を亡くすというのは自分の支えを亡くしたような悲しみと辛さがあるのです。
そんな中いろいろな人が声をかけてくれたり、また悲しみにつきあってくれたことが慰めにもなり、心の支えともなりました。
悲しみの中でも楽しいこともあるし心弾むことももちろんあります。
この絵本の中で「悲しみは消えないけれど、いま、わたしは、しあわせ」という言葉が印象的であり私の心にも近い言葉でした。
この世の悲しみは四苦八苦と言いますが、このような愛別離苦もその一つ。
時間が経って癒えるという類のものではなく、いつまでも悲しみはあります。
それでも、心の中に両親は生きています。心の中で話しかける存在になったのだと今は感じでいます。
悲しみの中でも、人は生き続けています。それは愛してくれる人あってのものかもしれません。
この少女のようにしっかりと「でも、わたし生きていくわ」という力強さを持って進めたらと思いました。