やせっぽちの猫は、たくさんの兄弟たちと一緒に、ダンボールに入れられて捨てられてしまいました。
けれど、「なあに、ちょっとひっこすようなものさ」と笑います。
兄弟たちが次々に拾われて行って、一人ぼっちになってしまっても、「ひとりのほうがきらくでいいさ」と、いつでも前向き。
けれど、実はそれには理由があったのです・・・。
やせっぽちの前向きな明るさに最初は感心していました。
そう、どんな状況でも環境でも、心の持ちよう一つで楽しくも悲しくもなるんですよね。
「なんでこんな目に」と嘆くばかりじゃなく、与えられた物の中で幸せを探すことは、とても大事なこと。
子供たちに読みながら、なるほどなるほどと頷いていましたが、そのやせっぽちの猫が笑えなくなったあたりで知らされる事実にしばし、唖然。
そっかぁ・・・、ちょっと無理していたのかなぁ・・・と。
それでも、悲しい終わり方にはならなくて ホッッとしました。
小さなお子さんから読んであげられる、優しい作品だと思います。
そして、小学校中学年以上になれば、より色んな事を読み取ってくれて楽しんでくれるのではないでしょうか。