「チロルくんのりんごの木」 １０歳のお子さんに読んだ みんなの声

１０歳の息子と読みました。

チロルくんとりんごの木。
という題名からは想像ができなかった、
とってもしっとりとした絵本。

せかいはとってもおおきいけれど、
チロルくんはここがいちばんすき。

村での生活、自然の景色、
りんごの木、エーデルちゃん、収穫祭、
春が来て夏がきて、秋がきて冬がきて、
大好きな村で毎日を大事に生きているチロルくんの生活が、
しっとりとした絵と、詩のような文章で描かれています。


あれもほしいこれもほしい、
あれもしたいこれもしたい、
あそこにいきたいここにいきたい。
便利で恵まれた生活をして、家の周りにコンビニもたくさんあって、
スマホをあければネットで買い物までできて、
でももっともっと、もっともっと！思っている私たちに、
「ちょっと待って！」と、呼びかけているようでもあります。

窓の外を見つめる、
チロルくんとエーデルちゃんの幸せそうな後ろすがた。
見ているだけでほっこりしますね。
なんでもない毎日を幸せに思うことが本当に幸せなことなのだと
改めて思わされるシーンです。

５歳の娘と読もうとした絵本だけれど、
５歳にはきっと理解できない。
１０歳の息子と読んでよかった一冊です

スイス・アルプスの山脈風景に包まれて幸せいっぱいの世界です。
家族の木の風習と、幼なじみのエーデルちゃんと紡ぐ淡い恋心が、荒井さんの絵で、ほのぼのと描かれていて、見ているものを幸せにしてくれる絵本です。
純粋な世界に包み込まれるようで、くすぐったくなるほど甘い絵本です。
荒井さんの世界ですね。

小４の娘はチロルくんとエーデルちゃんの約束の内容がすごく気になるようです。「結婚するん？」と聞かれましたが、「そうかもね」とにごしておきました。
私も読んですごく気になりましたが、出版社の紹介を読んでいると、やはり結婚の約束なんだろうな、という気はしますが…。

私はファミリーツリーというのが、すごくステキだなと思いました。その木に登って、二人で大切な約束をかわす、そしてずっと二人で一緒にその木を眺めていられたら、なんて幸せな人生なんだろうと思いました。