たしか、わたしが子どもの頃から図書室の本棚にあったように
記憶しています。そんな古い本ですが、懐かしさもあって、
10歳の息子に毎晩1章ずつ読んでみました。
北国生まれの神沢利子さん(絵本もたくさん出されていますね)に
よる、カムチャッカ半島に伝わる雄大な伝説を元にした創作童話です。
主人公の少年カムが、村の皆を困らせる火の山の大男ガムリイを
やっつける1章。獰猛なシャチのいる北の海へ行き、
ガムリイに挑みながらもクジラにされた父親を救い、母さんの待つ村へ
帰還する2章からなっています。
セリフ回し(?)が古い感じもしましたが、息子は物語に入り込み、
カムの勇気ある冒険と、家族へのおもい、いく先々で出会う人々や動物たちとの友情の世界を満喫できたようでした。
特に、カムのおともで、短気でおっちょこちょいのいい奴・トナカイのプルガが気に入って、もし犬が飼えたら、「プルガ」ってつけたいなあと。9、10歳くらいの男の子にオススメです。
わたしが大好きな場面は、1章で、火の山の大男ガムリイとの
闘いのクライマックスで、カムが、北斗七星のひしゃくにロープを
引っ掛け、傾けて、その天の水で火を消してやるぞと挑むところ!!
カムチャッカは日本の北につながる火山ベルトの上にあり、
その山と火と大空に広がる星のイメージは雄大です。